シャチ
Killer whaleハクジラ亜目マイルカ科
- 出現時期
- 4月下旬〜7月
ここ羅臼沖・根室海峡のネイチャーウォッチングの醍醐味は、
西に知床半島、東に国後島という壮大な景観、そして野生動物や流氷との出会いです。
冬にやってくる流氷がプランクトンを運び、プランクトンを求めて魚が集まり、
その魚を目当てにクジラやイルカがやってきます。
そのため、マッコウクジラ、ミンククジラ、ツチクジラなど多数のクジラのほか、
イシイルカやミズナギドリ、時にはシャチが現れることも。
さらに流氷の時期は、オオワシ、オジロワシの世界一の越冬地にもなります。
知床半島の西側は流氷で埋め尽くされて餌が取れないため、流氷密度の低い羅臼側へやって来るのです。
流氷が育む海の生態系と、原始から続く陸の生態系の相互関係が、知床の「いのち」です。
たくさんの野生動物との出会いから、本物の大自然の海を感じられます。
知床が世界自然遺産に登録された理由が、きっとわかると思います。
知床・羅臼でみることのできる生きものたちです。ウォッチングの豆知識としてご覧ください。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
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シャチ12,20,21,21,0,0 | ||||||||||
ミンククジラ12,15,16,18,0,0 | ||||||||||
マッコウクジラ20,29,19,19,30,30 | ||||||||||
イシイルカ19,30,13,18,0,0 | ||||||||||
ミズナギドリ13,20,12,12,21,24 | ||||||||||
オオワシ1,8,0,0,0,0 | ||||||||||
オジロワシ1,8,0,0,0,0 |
羅臼の海で出会うことのできる動物たちです。ウォッチングの豆知識としてご覧ください。
クリックすると詳細が見ることができます。
Killer whaleハクジラ亜目マイルカ科
Baird's beaked whaleハクジラ亜目アカボウクジラ科
Sperm whaleハクジラ亜目マッコウクジラ科
Dall's porpoiseハクジラ亜目ネズミイルカ科
Minke whaleヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科
Short-tailed Shearwaterミズナギドリ目ミズナギドリ科
Pacific White-sided dolphinハクジラ亜目マイルカ科
fur sealイヌ亜目アシカ科
Northern Fulmarミズナギドリ目ミズナギドリ科
Killer whaleハクジラ亜目マイルカ科
海洋生態系の頂点とされるシャチは、アザラシやペンギンを食べたり、群れでクジラを襲うことも。捕らえた獲物を跳ね上げたり投げたりして遊ぶ姿は、まさに「海のギャング」です。しかし、仲間と協力したり、餌を分け合うなど社会性が強い一面も。ブリーチングやスパイホップ(偵察行動)など動きが活発で、哺乳類の中で最も速く泳ぎます。
Baird's beaked whaleハクジラ亜目アカボウクジラ科
体長11〜12mとアカボウクジラ科の中では最も大きく、比較的長い口吻を持っています。下顎が上顎よりも長く、口を閉じた状態でも下の前歯が見えます。その特徴的な口の先が木づちに似ていることからこの名前が付けられました。その生態については十分わかっていない部分も多いです。根室海峡には、群れで多数現れます。
Sperm whaleハクジラ亜目マッコウクジラ科
歯を持つ種類のハクジラで、雄は18mにもなる大きな体、四角い頭が特徴です。噴気孔は頭部の先端左側に位置するため、潮吹きは左前方斜めに上がります。クジラの中で最も深く潜り、1時間以上も潜っています。息継ぎのために浮上してきた時がウォッチングのチャンスです。
Dall's porpoiseハクジラ亜目ネズミイルカ科
ネズミイルカ科の中では大きく、体長約2.3m。体型はどっしりしていて、胴に対して頭やひれが小さいのが特徴です。肌は灰黒色で胸びれの後ろから体の横にかけ白色のパッチがあり、外見はシャチに似ています。泳ぎは速く、最高55km/hほどで泳ぎます。数頭で群れをなし、船に接近して泳ぐ姿も見ることができます。
Minke whaleヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科
ヒゲクジラ亜目の中では2番目に小さい体を持つミンククジラは体長約7m。コイワシクジラとも呼ばれています。古くから雑食性とされ、タラやニシンなどの魚やオキアミなどを捕食します。繁殖力がとても強いことも特徴とされています。
Short-tailed Shearwaterミズナギドリ目ミズナギドリ科
体長は40cmほどで、長い翼を開くと1m近くになります。アホウドリを半分以下に小さくしたような体形で、全身黒褐色です。根室海峡には4月下旬から8月頃に親鳥と若鳥がタスマニアから大群をなして現れます。その数、数万羽。その大群が一斉に飛び立つさまはまさに圧巻。
Pacific White-sided dolphinハクジラ亜目マイルカ科
頭部は短く、クチバシも短いのが特徴です。胸びれは長く、背びれの形が草などを刈る鎌に似ていることが名前の由来です。体の色は白、黒、灰色の3色で、体長は雄で約2.5m。船に近づいてくることも多く、通常は数十頭もの群れを作って行動しています。
fur sealイヌ亜目アシカ科
耳たぶがある、四脚で体を支えて陸上を移動できる、前脚を鳥の翼のように羽ばたかせることによって遊泳するなど、アシカ科特有の特徴を持ちます。食性としては魚を主食としていますが、ペンギンなどを捕食する場合もあることが報告されています。
Northern Fulmarミズナギドリ目ミズナギドリ科
全長は45〜50cm、和名のフルマという名前はノルウェー語で「悪臭のするカモメ」の意があるfulmarに由来します。ミズナギドリ科の構成種は本種に限らず、危険を感じると口から液体を吐き出す防御行動を取ることからきています。船を停船させると、どこからともなく船尾に集まってくる習性があります。
White-tailed Eagleタカ目タカ科
体長約80cmで翼を広げると2mにもなる大型のワシです。体の色は淡褐色で白く短い尾羽、黄色いくちばしを持っています。冬に北海道を中心に飛来しますが、数百羽ほどで日本全体の個体数は少ない鳥です。大きな魚や鳥類を捕食しますが、時には餌をめぐってオオワシと争うこともあります。
Steller's Sea Eagleタカ目タカ科
体長は雄が約90cmで雌の方が大きく約100cmあります。翼を広げると2メートルを上回る大型のワシです。全体は黒褐色で、羽の一部と尾が白くなっています。また大きな黄色いくちばしが特徴的。サケやマスなどの大型の魚を捕食します。流氷時期の根室海峡には多く飛来します。国の天然記念物に指定されています。
Brunnich's Guillemotチドリ目ウミスズメ科
全長は45cmほど、カラスより小さくウミガラスよりわずかに大きい体です。夏羽は背が黒く腹が白くなり、冬羽では喉のあたりまで白くなります。羽色や生態はウミガラスによく似ていますが、くちばしの根もとに白い線が入ること、夏羽の喉元に白い羽毛が∧字に切れこむこと、冬羽でも顔がほぼ黒いことなどで区別できます。
Steller Sea Lionアシカ亜目アシカ科
トドはアシカ科の中で最も大きい種類であり、雄の平均は体長3m、体重670kg、雌の平均は体長2.3m、体重270kgくらいあります。体表は淡茶褐色で、5cm程の短い牙を持ち、警戒心が強い性格です。
2019年8月30日 新種として発表。遭遇率は低いですがプカプカと浮いている姿を観察できることも。まだまだ謎が多い。
2019年の5月と7月に2度確認(日本初の発見)。背びれや大きさの違いから別個体とみられる。
2015年に日本では2例目の発見。1例目は約50年前、発見された日が2例目共に6月23日という偶然!